私たち JVC ケンウッド・デザイン は音を通して人と自然、人と地域をつなぐ活動を行なっています。
Forest Notes はその代表的な活動の一つです。
録音された音楽や携帯音楽プレーヤーの普及で私たちはいつでも便利で楽しい生活を送れるようになりまし たが、一方で移ろいゆく自然の声を聴く機会は益々少なくなっています。私たちは「音」によって失われた 自然への感性を、インターネット上で共有される「音」により再び取り戻していくことにより、自然を理解 し、驚嘆し、保全するという新しい価値観が生み出されていくと考えています。また、心地よい音楽には不 可欠なギターやピアノ、バイオリンなど多くの楽器も森の資源、木材から作られています。これらの楽器を 将来へ残していくためにも森と人の気持ちをつないでいくことが必要です。
Forest Notes 森のライブ配信
「Forest Notes ~森の声を聴こう。」は、日本国内の森林(5箇所)に集音マイクを設置し、24時間365日、森の声(音)をインターネット上でライブ配信しているサービスです。2013 年のスタート時は有料サービスでしたが、2017年秋から無料化し広く誰でも利用できるようにしました。また、YouTubeの活用により東京都の奥多摩地域や北海道の知床自然センターとも連携してライブ配信プロジェクトを行なっています。映像ライブ配信サイト 「Forest Notes 感性の森」
- スマートフォン、タブレット用アプリについてはこちらのページをご覧ください。
- 各地の森のライブ音解説とともに季節ごとの地域情報を発信するFacebook・Twitter 公式アカウントはこちらからご覧ください。
ライブ音について
「森の声」をインターネットで共有することにより、森林は多くの生き物にあふれているという気づきをもたらします。
ウグイスなどの留鳥は冬の地鳴きからの春のぐぜり(練習)、さえずりへと変化していきます。オオルリな どの夏鳥は春に越冬地の東南アジアから数千キロを飛んできて繁殖し、また秋に戻っていきます。ジョウビ タキなどの冬鳥も秋にシベリアなどから海を渡ってきて春に戻っていきます。秋は鹿の恋の季節です。雄鹿 の甲高い声が夜の森に響きます。これら野生生物の鳴き声から地球上の季節をめぐる生き物の大移動、変化 の瞬間を共有することができます。
森のざわめきもまた、想像を巡らす重要な音の要素です。大きな風のうねりは地球の呼吸です。木々の葉擦 れの音、雨や雫の滴り落ちる音。冬は深々と積もる雪と森全体の静けさ、枝葉の氷が突然キラキラと溶け落 ちる音。春の雪解けによるせせらぎ音、夏の台風や雷が近づいてくる緊張感、秋の夜長の虫たちの声など、その森の個性的な表情が思い浮かびます。
これら一連の活動は、日本におけるフィールドレコーディングの草分け的存在の川崎義博氏(東京藝術大学)、森の生態系の音と画像を1997年から長期にわたってアーカイブし続けるサイバーフォレスト研究 チーム(東京大学大学院)とも情報共有しながら運営しています。各分野の専門家との連携により、森全体の雰囲気を感じてもらう精度の高い音質を目指しています。
川崎義博氏(左)とサイバーフォレスト 研究チームの斎藤馨教授(右)
「Forest Notes 感性の森 2014 展」(主催:JVC ケンウッド・デザイン)(右写真)に於いては自然音とサウンドスケープに関する対談が行われました。@イトーキ東京イノベーションセンター SYNQA
森のスピーカー
専用のスピーカーのデザインは日本の平均的な森の木1本が1日に作り出す酸素の量、約30リットル
(※ ) の体積そのものをコンセプトとしており、植物の持つ「光合成」という目に見えない役割を視覚化していています。(2017 年秋に販売を終了、現在各種イベントで活用中)
※ 1本あたり年間20Kg の二酸化炭素固定量から計算(JVCケンウッド・デザイン調べ)
コンセプトとデザイン開発
スピーカーのデザインコンセプトは飛騨高山のオークヴィレッジ株式会社、正プラス株式会社との対話から 生まれました。スタッフの皆さんとのワークショップで森の生態系の観察を行なったり、森のアロマの原料 となるクロモジを植樹、また木の特徴を活かしたモノづくりの技法を共有し、光合成を可視化するコンセプ ト、デザインに結びつきました。
キャビネットは飛騨の伝統技術を踏まえ、職人たちが材料の選定から乾燥、加工、組み立て、仕上げまで一 貫した管理のもとで製造した、手作りの一品です。
地域連携
フォレストノーツは現在進行形のプロジェクトです。地域とともに自然の音を楽しみ、活用していく様々なコミュニ ケーションの方法を継続して検討しています。SNSを活用して地域の情報を伝えることにより、訪問や観光PRの支援を行ったり、地域の資源を生かした農産品や木工品の販売につながるような企画を現地の方と一緒に考えて参ります。
●宮崎県諸塚村
観光協会との連携でエコツアーの参加者向けに諸塚村の音を持ち帰ってもらったり(QRコード付きハガキ、ブックマーク)、FSC®認証の椎茸の販売促進、物産展での雰囲気作り、音の演出で活用するなどの実績があります。諸塚村との取り組み 詳細はこちら→
●奥多摩プロジェクト
東京農業大学奥多摩演習林、地域の建築家との連携による、多摩産材の活用促進を目指す 「奥多摩プロジェクト」。YouTube プラットフォームでライブ配信実験中で、地域生態系の研究、多摩産 材利用へのきっかけづくり、木育での活用を目標に推進中。 詳細はこちら→
●房総里山芸術祭 いちはらアート × ミックス 協力
千葉県市原市芸術祭推進課と連携し、里山芸術祭 いちはらアート × ミックス 2017における作品「森ラジオステー ション×森遊会」の一部となる、いちはらの森のライブ配信を担当。(期間中の総来場者数は7240人)また、地域のコミュニティー「森遊会」と共同でマイク設置ワークショップ実施(2018年3月)など。
2020 年に開催予定の「いちはらアート × ミックス 2020」でも引き続き協力しています。
実験プロジェクトのため、各状況により予告なく変更・停止することがあります。
SNS で地域の風景やイベント企画をお届け
季節ごとの地域の風景や風物詩、生き物情報、エコツアーなどのイベント企画が各地のSNSで発信されています。 Forest Notes の公式SNSでも、ライブ音の解説とともに各地の情報を発信して森の音と一緒に楽しんでもらう工夫 をしています。
東京で物産展などのイベントもありますのでぜひフォローをお願いします♪
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