「DLA-NZ700/DLA-NZ500 」は、JVCブランドが海外市場に展開している「D-ILA」プロジェクターシリーズの2024年モデルです(国内ではVictorブランドとして展開「DLA-Z7」)。JVCケンウッド・デザインがプロダクトデザインを手がけた本製品は、光学ユニット、レンズ、回路基板などの設計をゼロから見直すことで、ネイティブ4K対応のホームシアタープロジェクターとして世界最小サイズを実現。「iF DESIGN AWARD 2025」プロダクト分野および2024年度のグッドデザイン賞を受賞し、国内外で高い評価を得ています。
シリーズのアイデンティティを引き継ぐ純粋な造形アプローチ

「D-ILAデバイス」は、JVCケンウッドが独自に開発した反射型液晶素子であり、1997年の初代モデルの開発以来、20年以上にわたって国内での開発・生産を継続してきました。その「D-ILAデバイス」を使用したプロジェクターは、「原画探究」をコンセプトに、コンテンツクリエイターの映像へのこだわりを余すことなく表現する映像美を追求した製品として、国内のみならず、アメリカ・欧州を中心とする海外市場においても高い評価を得続けています。

「DLA-NZ700/DLA-NZ500 」は、2024年に販売を開始した本シリーズのエントリーモデルです。シリーズのアイデンティティである、レンズから真っ直ぐに投射される光軸を表現することをデザインフィロソフィーに掲げ、「本物至高」の製品としてのたたずまいを感じさせる、純粋な造形アプローチを追求しています。
機能美にこだわったミニマムな筐体とロングライフデザインの実現

内部の設計をゼロから見直した本モデルでは、機体を冷却するための吸排気システムが一新されており、前面からの吸気が後方に向けて排気されるエアフローが採用されています。光軸表現と同様、機能美を追求する造形アプローチにこだわり、前後左右をシンメトリー形状にすることで、吸排気の流れに合わせたデザインを実現しました。
また、ホームシアタープロジェクターとして空間と調和させるために、滑らかな陰影のグラデーションが生まれる美しい曲線を探求しています。歴代のデザイナーたちの知見の蓄積を活かし、錯視によって生じる膨らみや凹みを補正する角R(アール)を施すことで、デザイナーの作為や手がかりを感じさせないミニマムデザインを実践しています。
機能美を追求したこれらの造形アプローチは、時代を経ても飽きのこないプロダクトデザインへの挑戦でもあります。トレンドを感じさせないための工夫を製品の形状やディテールに凝らすことで、時代に左右されないロングライフデザインの実現を目指しました。
Team
- Shuji Tanifuji
-
- Project Direction
- Satoshi Yoshimura
-
- Project Direction
- Kohei Ohashi
-
- Product Design