様々なシーンにおける操作性の向上を追求した「豊島区議会・議場システム」

様々なシーンにおける操作性の向上を追求した「豊島区議会・議場システム」

スムーズな議会運営をサポートする音響・映像システムの導入

日本初の官民一体施設として2015年に竣工した「としまエコミューゼタウン」。JVCケンウッド・デザインは、JVCケンウッド・公共産業システムとともに同施設内に移設された豊島区議会の議場システムの構築を担当。既存の音響・映像システムの一新に際して、発言用マイクのプロダクトデザイン、タッチパネル操作画面および場内表示画面のGUIデザインを手がけ、スムーズな議会運営をサポートする議場システムを構築しました。

デジタル会議システムの構成要素: マイク、タブレット2台、オーディオプロセッサー、Jmeeロゴ
議会の座席表とタイマーを表示した会議システムの画面。

登壇者の発言を届ける音響システムの構築

音響システムにおいては、ノイズ・ハウリングの少ないJVCのデジタル会議システム「PM-3000」および「PM-1000」を中心に構築。聞き取りやすい音量で発話者の音声を再生し、不快なハウリングを防止するデジタル音声処理機能によって、高音質の音響システムを実現しています。

豊島区議場は、区議会のほかにも国際会議やシンポジウムといった幅広いシーンでの活用を想定しており、様々な登壇者の声の集音性を高めるために、システムを構成する既製マイクのセレクトだけではなく、議場内の演台に合わせた形状のマイクロフォンの開発を提案。人間中心設計の考え方に基づき、想定するユーザーや利用シーン、利用環境を正確に把握するプランニングシートを作成した上で、モックアップの開発およびユーザーテストを実施し、本議場に適したマイクのプロダクトデザインを実施しました。

オフィスの室内で、複数の人がコンピューターの前に座っています。壁には図表やイラストが貼られており、カメラも設置されています。

多様な人が使いやすい操作画面のデザイン

本議場に導入した「PM-3000」および「PM-1000」シリーズは、タッチパネル方式による高い操作性が特徴です。PM-1000シリーズにおいては「アドバンストシステム」を採用することで、マイクの音量やカメラアングル、テロップ表示の調整、座席のレイアウト変更など、様々な議会の運営にフレキシブルに対応することができます。

これらのシリーズは、導入に際して議場に合わせたカスタマイズを実施しており、本議場においても、登壇者や準備・運営を担う事務局員の方々など、関わるすべての人々にとって使いやすいシステムを目指し、ユーザビリティの向上に努めました。操作画面のGUIデザインにあたっては、想定ユーザーを対象とするヒアリングを実施し、操作性を高めるための課題を抽出。初見のユーザーや当社のエンジニアによるユーザーテストを実施し、様々な視点から問題点や改善点の検証をおこないました。現地での実装の際にも、当社のデザイナーが竣工前の議場に赴き、画面の視認性の確認や最適なサイズへの変更、色の調整を実施しています。

さらに、多様な人が使いやすい操作画面の追求のために、カラーユニバーサルデザインの視点からの検討もおこないました。NPO法人・カラーユニバーサルデザイン機構にご協力いただき、色弱の当事者の方を対象とするユーザーテストを実施することで、色設計とユーザビリティを改善。これらの取り組みが高く評価され、2019年にカラーユニバーサルデザイン認定を取得することができました。

タブレットを持つ手が映っており、画面には日本語のアプリやウェブサイトのインターフェースが表示されています。机の上には書類やキーボードなどが散らばっており、オフィスか会議室の様子が写っています。

Team

Akiko Yokoyama
  • Project Leader
Hitomi Tadokoro
  • UI Design
  • UX Design
Satoshi Motohashi
  • UI Design
  • UX Design
Katsuyuki Kaneko
  • UI Design
  • UX Design

Works