驚きのあるデザインをチームで実践し、ブランドを育む風土をつくる

驚きのあるデザインをチームで実践し、ブランドを育む風土をつくる

プロダクトデザインや UI・UXデザインなど、有形・無形を問わず多様なデザイン領域に取り組むJVCケンウッド・デザインでは、ものづくりへの高いこだわりを持つデザイナーが多数所属しています。JVCケンウッド・グループが展開する3つのプロダクトブランドの成長を支えながら、インハウスデザイナーのチームとしてデザインに取り組む3人のデザイナーが、それぞれのデザイン観・仕事観について語り合いました。

ユーザーに驚きを与えるデザインの実践

それぞれデザイナーとして仕事に取り組む上でのこだわりを教えてください。

笹川 車載用製品 の開発では、人間中心設計の視点から車室内空間の快適性や使いやすさの向上・洗練を目指していますが、それに加えてユーザーに驚きを与える「WOW ファクター」をつくることを大事にしています。使いやすさだけではユーザーに手に取ってもらえないので、所有する価値や個 性、かっこよさのあるデザインが製品には必要だと思いますね。

鈴木 われわれが展開している3つのプロダクトブランドは、冷蔵庫や洗濯機、エアコンといった生活必需品とは異なり、趣味のための商品を開発してきた歴史があるので、ユーザーの感性に訴えかける 、エモーショナル・デザインを実践しているところに特徴があると思います。たとえば、業務用無線機の デザインの場合、プロが使用する道具としての操作性や信頼性を前提に、さらにもう一歩踏み込んだ新しい要素を取り入れるようにしています。ユーザーがグッとくるようなものをつくらないと、デザイナーとしても満足できないという社内文化はあると思いますね。なにかの用途を満たすだけではなく、ユーザーが欲しいと思えるような製品のデザインを意識しています。

JVCケンウッド本社の事業部門の方々も、デザインに対して高い期待値や強いこだわりを持っていますし、「デザインで勝つ」というマインドはこの会社の伝統として根付いているような気がします。本社の方々やクライアントからは、ロジックで導き出されるものだけではないデザインのクオリティへの期待を寄せられているので、その分プレッシャーがあるとも言えますね。

話をする男性デザイナー
Yasuhiro Suzuki

集合知を活かし、チームでデザインに取り組むために

JVCケンウッド・デザイン全体のデザイン力を高めていくために実施していることはありますか?

藤島 BtoB向け車載用製品の仕事においては、各自動車メーカーや車種ごとに、開発対象のモデルを どのような意図で変えていくべきなのかなど、社内の様々なメンバーを織り交ぜながら議論することがあたりまえの習慣になっていると思います。それぞれ異なる分野に詳しい、強いこだわりを持つメンバーがたくさんいて、「これについてはあの人に聞こう」と思える環境なので、チームで仕事に取り組んでいる感覚があります。

また、それぞれリサーチした内容や好きなことを話す場を定期的に開催していて、自社の製品に限らず、いま世の中で注目されている製品などのデザインをテーマに、使いやすさや使い心地、レイアウトの理由をみんなで考えるようにしています。

笹川 GUIなどのソフトウェアやコンテンツに関わるデザインでは、そういった場を通じて社内のデザイナーの技術やセンスを集合知のように活かしている感覚はありますね。ひとりではつくれないものをデザインできる楽しさこそ、インハウスデザイナーとして働くことの魅力だと思います。エンジニアがいなければ回路や基板はできないですし、営業の方々がいなければ利益 を上げることもできないので、ひとりでは達成できないことに挑戦できる醍醐味があります。

藤島 他にも、車載用製品 開発のためのフィールドワークを実施した経験も印象的でした。私は普段、車載ディスプレイのUIデザインに取り組んでいますが、基本的にパソコンに向かって作業をしているため、なかなか実際のドライブ環境で製品のアイデアを検討することができていなかったんですね。そこで、日帰りで戻ってこられる千葉などを目的地とするフィールドワークを提案し、5人のメンバーと一緒にドライブに出かけました。

移動中の車中では、車載用製品 のアイデア出しはもちろん、製品の使い心地やユーザビリティについての意見を出し合い、車内の体験をよりよくしていくためにはどうすればいいか を議論することができました。他にも、 ユーザーの観光体験を再現するために、道の駅を探索したり、人気のランチスポットを探してみたり。当初は研究活動の一環としてスタートしたものでしたが、結果的に本社の事業部の方々やクライアントへの提案につなげることができました。こうした成功体験がチーム力を高めることにつながっています。

話をする眼鏡をかけた女性デザイナー
Moe Fujishima

笹川 実際においしいものも食べましたよね(笑)。デザイナー自身が楽しみながら仕事することって、とても大事だと僕は思います。頭の中だけで考えていても見えてこないものはたくさんあると思いますし、現場を観察したり、自分自身が経験したりすることで、はじめて本質的な価値が見えてくるんじゃないかなと。

デザイナーがブランドを育てていく風土をつくる

JVCケンウッド・グループとして、3つのプロダクトブランドを展開しているからこそ意識していることはありますか?

鈴木 3つのプロダクトブランド ごとのパーパスをみんなで考えたり、それぞれのブランドがどのような価値を提供できるのかを議論したり、そのブランド のアイデンティティを明確化するための活動は継続的に実施しています。それぞれのブランド に長く関わっているデザイナーであるほど「このデザインはこのブランドらしくない」という考えを抱きがちなのですが、時代の変化に合わせて、常に柔軟であり続けなくてはならないと思います。もちろん、各ブランドのなかでデザインのイメージが ばらばらになってしまってもよくないですし、今まで の文化や歴史を捨て去ってしまうのもよくないので、ブランド それぞれのあゆみを理解した上で、どのようにアイデンティティを強くしていくのかが重要だと思います。

笹川 ある意味、デザイナーは「記号」を壊していかなくてはならない仕事なのですが、あまり突っ走りすぎてしまっても、クライアントやユーザーが求めているものとズレてしまう場合もあるので、そのあたりのバランスをとる難しさはありますね。デザイナーとしては幅広い視点を持ちながら、BtoB、BtoCに関わらず「 顧客価値」に向き合った上で提案していかなければならないのが僕らの仕事の特徴だと思います。

話をする眼鏡をかけた男性デザイナー
Yuichiro Sasagawa

鈴木 ある程度3つのプロダクトブランドごとに スタンダードとなるラインは設けていますが、あまり決めすぎてしまっても停滞してしまうと思うんです。それぞれのブランドは、その時々の情勢に合わせて変化していくからこそ発展できるものだと僕は思うので、あまりルールを規定しすぎないようにしています。今後もこの3つのプロダクトブランド を育てていくためになにが必要なのか、社内のデザイナーがそれぞれ考えていけるような風土をつくることに取り組んでいきたいと思います。

Profile

Yasuhiro Suzuki
Yuichiro Sasagawa
Moe Fujishima

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